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正常組織で正確に発がんリスク診断。国がんが測定法開発

国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜斉、東京都中央区)は2018年1月23日、これまで測定困難であった正常組織に蓄積された微量の点突然変異の測定法の開発に成功したと発表。この新たな測定法を用いて正常な胃と食道での点突然変異とDNAメチル化異常両者の蓄積量を測定し、発がんリスクとの関連を調べた。
喫煙による日本人の肺がんリスクモデルとその性能

喫煙量、喫煙期間、禁煙期間などの喫煙習慣、年齢、性別をスコア化し、肺がん発症の10年間の累積確率を評価する予測モデルが開発され、喫煙量による用量依存的な影響が確認された。国立がん研究センターのHadrien Charvat氏らは、日本の多目的コホート研究のデータを用いて、喫煙者における肺がん発症リスクの予測モデルを構築した。著者は、「このモデルを活用することで、リスクの高い人に禁煙を促し、監視を強化することができる」とまとめている。Cancer science誌オンライン版2018年1月18日掲載の報告。
ミトコンドリアATPシンターゼと加齢や認知症との関連

アルツハイマー病などの認知症が増加する根本的な要因は、老化である。老化を治療戦略とする考え方は新しいものではないが、老化と加齢による疾患が分子レベルで、どれほど密接に関連しているかはよくわかっていない。米国・ソーク研究所のJoshua Goldberg氏らは、アルツハイマー病の候補薬J147の分子標的を同定し、老化と認知症との新規分子リンクを発見するための検討を行った。Aging cell誌オンライン版2018年1月7日号の報告。
NSCLCのニボルマブ、2年後もドセタキセルに対しOS改善(CheckMate-017、057プール解析)/JCO

既治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)においてニボルマブとドセタキセルを比較した2つの第III相試験(扁平上皮がんでのCheckMate-017非扁平上皮がんでのCheckMate-057)のプール解析の更新結果が報告され、ニボルマブはドセタキセルと比較し全生存期間(OS)を延長していることが示された。
大腸がんの高齢者、心血管疾患発症率が約3倍

大腸がんの高齢者は、心血管疾患(CVD、脳卒中および心筋梗塞)およびうっ血性心不全(CHF)を発症する危険性が高いことを、米国アラバマ大学のKelly M. Kenzik氏らが報告した。また、糖尿病や高血圧が化学療法と相互に影響し、心血管疾患の罹患リスクを高めることが示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2018年1月16日号に掲載。
ADHDと電子タバコ、水タバコ、可燃性タバコの使用との関連は?

最近、電子タバコや水タバコなどの代替タバコ製品の使用が、若者の間で増加している。代替タバコ製品の使用開始が、ADHD症状と関連しているかは、よくわかっていない。米国・南カリフォルニア大学のNicholas I. Goldenson氏らは、青年期の喫煙や電子タバコなどの使用開始とADHD症状との関連について、調査を行った。Journal of pediatric psychology誌オンライン版2018年1月2日号の報告。
夜間血圧の極端な低下は、緑内障の有意なリスク因子

緑内障性視神経症には、夜間血圧が低いということよりもextreme dipping(昼間と比較して夜間血圧が>20%低下)が影響していることが、ベネズエラ・University of Zulia-MaracaiboのJesus D. Melgarejo氏らによる同国住民を対象とした横断研究で示された。結果を踏まえて著者は、「緑内障の高リスク者における夜間血圧の著明な低下を考慮した、さらなる研究が必要である」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2018年1月5日号掲載の報告。
COPDを「食」からケアする~ポイントは“脂質”

COPDは日本人男性における死因の第8位に位置づけられ、約7割のCOPD患者が日常生活に制限を感じるなど、QOLに与える影響の大きい疾患である。そのCOPDに対して、栄養療法を活用する取り組みがある。2017年11月6日に都内で開催されたセミナーの内容をレポートする。
高齢者のスタチン非順守に関連する因子~メタ分析

高齢者のスタチン服用における非順守や中断には、非白人、喫煙、低収入、高い患者負担金、1次予防などが関連することを、オーストラリア・Monash大学のRichard Ofori-Asensoらが報告した。著者らは「金銭的・社会的バリア、疾患リスクに関する患者の認識、ポリファーマシーなど、潜在的に修正可能な因子を対象とした介入によって、高齢者のスタチン服用を改善する可能性がある」としている。The Journals of Gerontology誌Series Aオンライン版2018年1月19日号に掲載。
妊婦のうつ病と子供の成長との関連

母親のうつ病と子供の成長との関連について、正確な見解は報告されていない。これは、子供の性別による影響に注目が限定されている可能性がある。米国・アメリカ国立衛生研究所のHyojun Park氏らは、母親のうつ病時期と子供の成長との関連について、とくに性差に注目し、集団ベースの出産コホートを用いて評価を行った。Obesity誌2018年1月号の報告。
統合失調症、双極性障害に対する持効性注射剤使用と関連コスト

持効性注射剤(LAI)の抗精神病薬で治療を行った統合失調症および双極性障害患者の、全原因の入院と関連コストの比較について、米国・Partnership for Health Analytic Research, LLCのTingjian Yan氏らが検討を行った。Current medical research and opinion誌2018年1月号の報告。
ニボルマブ・イピリムマブ併用、MSI-H大腸がんで有効性/ASCO-GI2017

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は2018年1月20日、第II相CheckMate-142試験から、dMMRまたはMSI-Hの転移性大腸がん患者を対象にニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法を評価した新たなデータを発表した。これらのデータは、米国・サンフランシスコで開催された2018年消化器がんシンポジウム(ASCO-GI)において発表され、Journal of Clinical Oncology誌にも同時に掲載された。
インフルエンザの患者数が過去最多に

2018年1月26日、厚生労働省は平成30年第3週(1月15日~21日)までのインフルエンザの発生状況を発表した。
大腸ポリープも身体活動や座位時間に関連

定期的なレクリエーションでの中~高強度の身体活動(rMVPA)は大腸がん(CRC)リスク低下と関連しているが、前がん状態の前駆病変である大腸ポリープとの関連を検討した研究はほとんどない。今回、カナダ・アルバータヘルスサービスのDarren R. Brenner氏らが、大規模なCRCスクリーニング集団でスクリーニング時の身体活動および座位時間とポリープとの関連を調べたところ、とくに女性で、rMVPAの増加とポリープ有病率の減少の関連が示唆された。また、とくに男性で、習慣的な座位時間が短くてもポリープの存在に関連していた。Cancer epidemiology誌オンライン版2018年1月17日号に掲載。
老人福祉施設の認知症、うつ病患者の睡眠に対する疼痛治療の影響

老人ホームに入所している認知症やうつ病患者における疼痛治療が、睡眠にどのような影響を及ぼすかを、ノルウェー・ベルゲン大学のKjersti Marie Blytt氏らが検討を行った。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2017年12月28日号の報告。
プライマリPCI実施後のプラスグレル対チカグレロル、1年後の比較

プライマリPCIが適応の急性心筋梗塞患者において、P2Y12阻害剤であるプラスグレルとチカグレロルの有効性および安全性を比較したPRAGUE-18 trialの早期の結果では、2剤に有意差は認められなかった。チェコ共和国のZuzana Motovska氏ら研究グループによる1年フォローアップでは、さらに2剤の有効性と安全性を比較し、退院後により安価なクロピドグレルに変更することが虚血イベントの発生に影響を与えるかどうか検証した。Journal of American College of Cardiology誌11月9日号に掲載。
TV視聴1日5時間以上で卵巣がんリスクが2倍~日本人女性

座って過ごすことと卵巣がん発症率の関連は疫学研究の75%で報告されているが、わが国では検討されていない。今回、大規模な全国コホート研究であるJACC研究(Japan Collaborative Cohort Study)で、主な座位行動であるテレビ視聴時間と卵巣がん発症の関連を調べたところ、1日平均視聴時間が5時間以上の人は2時間未満の人より2.15倍発症リスクが高かった。この結果から、座って過ごす時間の短縮が卵巣がん予防に有益である可能性が示唆された。Cancer causes & control誌オンライン版2018年1月16日号に掲載。
統合失調症における抗精神病薬単独療法前後の陰性症状と報酬系回路

陰性症状は、統合失調症の中心的な症状であり、機能アウトカムと強く相関する。脳の報酬系回路の障害は、モチベーションや快楽体験の減少による陰性症状の主な要因であることが示唆されている。デンマーク・コペンハーゲン大学のMette Odegaard Nielsen氏らは、amisulprideでの治療後に陰性症状が改善した患者と改善しなかった患者における、報酬関連の脳の活動を比較した。Clinical EEG and neuroscience誌2018年1月号の報告。
FDA、EGFR変異陽性NSCLCに対するアファチニブの適応拡大を承認

Boehringer Ingelheim社は2018年1月16日、米国食品医薬品局(FDA)がEGFR変異陽性の転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に対する、アファチニブ(商品名:ジオトリフ)の追加新薬申請(sNDA)FDAを承認したと発表。アファチニブは、exon19delまたはexon21 L858RのEGFR変異NSCLCを対象としていたが、今回L861Q、G719X、S768Iの3つのEGFR変異が追加された。
ニボルマブ後のEGFR-TKI、厚労省がILDへの注意喚起

厚生労働省は、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)の使用成績調査の中間報告で、ニボルマブ(同:オプジーボ)投与歴のある患者にオシメルチニブを投与した際、間質性肺疾患(ILD)が33 例報告されたことを受け、1月24日付で安全対策に関する通知(薬生安発0124第1号 薬生安発0124第2号)を発出した。