膝OAへのヒアルロン酸注射、軽減効果はわずか/BMJ
変形性膝関節症(膝OA)に対するヒアルロン酸関節内注射(関節内補充療法)は、プラセボと比較して痛みの軽減効果はわずかであり、両者間の臨床的意義のある差はごくわずかであるという強力で決定的なエビデンスが示されたと、カナダ・St. Michael’s HospitalのTiago V. Pereira氏らがシステマティック・レビューとメタ解析の結果、報告した。また、同様に強力で決定的なエビデンスとして、関節内補充療法はプラセボと比較して重篤な有害事象のリスク増加と関連することも示されたという。関節内補充療法は、50歳以上の膝OAの治療に用いられているが、その有効性と安全性についてはいまだ論争の的となっている。直近では、治療効果が従前に報告されたものよりも小さい可能性があるとのエビデンスが示唆されていた。著者は、「今回の検討結果は、膝OAの治療としての関節内補充療法の多用を支持しないものであった」とまとめている。BMJ誌2022年7月6日号掲載の報告。