急性高山病は気圧の低い高地を旅行した際、順応性が弱い一部の人に出現する。この「気圧の低い高地」の条件は飛行中の旅客機でも生じるが、乗客に高山病が出現するかどうかは明らかではない。
ボーイング・メディカル社のJ. Michael Muhm氏らは、飛行中の旅客機と同様の環境を用意し、不快感がどのようなメカニズムで、どの程度の頻度で現れるのかを調査した。NEJM誌7月5日号掲載の報告から。
Muhm氏らは、海抜650、4,000、6,000、7,000、8,000フィート(各198、1,219、1,829、2,134、2,438m)相当における飛行中の旅客機と同様の気圧低下が動脈血酸素飽和度、急性高山病、不快の発生に及ぼす影響を判定するため、成人ボランティアを対象に、20時間の模擬飛行試験を実施した。測定には自覚症状質問表(Environmental Symptoms Questionnaire IV)への回答が用いられ、前向き単盲検対照低圧室研究として実施された。