O157による急性胃腸炎が、高血圧、腎障害、心血管リスクの増大と関連
大腸菌O157:H7に起因する急性胃腸炎の経験者は、高血圧、腎障害、心血管疾患のリスクが増大していることが、カナダ・ロンドン健康科学センターのWilliam F Clark氏らが行ったコホート試験で示された。アメリカでは年間、O157:H7感染症による消化管疾患が5~12万例にみられ、そのうち2,000例以上が入院し、約60例が死亡している。O157:H7が産生するShiga toxinは腎臓や血管を傷害し、溶血性尿毒症症候群(HUS)をきたす可能性がある。O157:H7曝露によるHUSの長期的な影響は、子どもではよく知られているが、症状がみられ比較的曝露量の少ない成人では不明であったという。BMJ誌2010年11月20日号(オンライン版2010年11月17日号)掲載の報告。