重症小児の全身酸素化、SpO2目標低めがアウトカム良好/Lancet
小児集中治療室(PICU)に緊急入室し侵襲的換気療法を受ける小児において、制限的目標酸素投与(conservative oxygenation target)は、非制限的目標酸素投与(liberal oxygenation target)と比較して、30日時点の臓器支持期間または死亡について、良好なアウトカムを得られる可能性が、わずかではあるが有意に高いことが示された。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのMark J. Peters氏らが、2,040例の小児を対象に行った多施設共同非盲検並行群間比較無作為化試験「Oxy-PICU試験」の結果を報告した。重症小児患者における最適な目標酸素投与量は明らかになっていない。非制限的酸素投与は広く行われているが、小児患者では害を与えるとされていた。結果を踏まえて著者は、「制限的な酸素飽和度目標値(SpO2:88~92%)を広く取り入れることは、PICUに入室する重症小児患者のアウトカム改善およびコスト削減に役立つだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2023年12月1日号掲載の報告。