腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:100

化学療法、女性は午後に受けると効果が高い

 体内時計機能を勘案し、投薬時間を調節するクロノセラピー(時間治療)の考え方は以前より提唱されており、大腸がんなどにおいて一定の効果が報告されている。しかし、その後の試験に一貫性がないため、日常臨床を変えるには至っていない。今回、造血器腫瘍の成人患者におけるクロノセラピーの効果を検討した、韓国科学技術院のDae Wook Kim氏らによる研究結果が JCI Insight誌2022年12月号に掲載された。

HER2低発現とHER2ゼロ乳がんの予後比較~米国114万人の調査/JAMA Oncol

 HER2低発現乳がんの疫学的特徴や予後の観点から、HER2ゼロ乳がんと臨床的に異なるサブタイプと言えるのだろうか。今回、米国・シカゴ大学のDaniel S. Peiffer氏らが米国がんデータベースを用いて約114万人の大規模コホート研究を実施したところ、HER2低発現の割合は、ヒスパニック系患者および非ヒスパニック系黒人患者が、非ヒスパニック系白人患者と比べてわずかに低く、また、全生存期間(OS)はHER2低発現乳がんのほうがHER2ゼロ乳がんよりわずかに良好だった。これらの結果から、HER2低発現乳がんとHER2ゼロ乳がんの治療反応性と長期予後が類似している可能性が示唆された。JAMA Oncology誌オンライン版2023年2月23日号に掲載。

CAR-T ide-cel、再発・難治性多発性骨髄腫への第III相試験結果(KarMMa-3)/NEJM

 2~4レジメンの前治療を受けた再発・難治性多発性骨髄腫患者の治療において、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法薬であるイデカブタゲン ビクルユーセル(idecabtagene vicleucel:ide-cel)は標準治療と比較して、無増悪生存期間を約7ヵ月有意に延長するとともに深い奏効をもたらし、安全性プロファイルは先行研究と一致し新たな安全性シグナルは認められないことが、スペイン・Clinica Universidad de NavarraのPaula Rodriguez-Otero氏らが実施した「KarMMa-3試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2023年2月10日号で報告された。

腎がん術後補助療法、ニボルマブ+イピリムマブはDFS延長せず(CheckMate 914)/Lancet

 術後再発リスクが中等度から高度の限局性腎細胞がん患者において、プラセボと比較してニボルマブ+イピリムマブによる無病生存期間(DFS)の延長は認められなかった。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのRobert J. Motzer氏らが、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアの20ヵ国145施設で実施した無作為化二重盲検試験「CheckMate 914試験」パートAの結果を報告した。結果を踏まえて著者は、「腎細胞がんの術後補助療法としてニボルマブ+イピリムマブは支持されない」と述べている。限局性腎細胞がんの術後補助療法はアンメットニーズであり、サーベイランスが標準治療となっている。Lancet誌オンライン版2023年2月9日号掲載の報告。

性的マイノリティーの乳がん患者は再発リスクが3倍

 性的マイノリティ(レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダー)の乳がん患者では、シスジェンダー(性自認と生まれ持った性別が一致している人)で異性愛者の乳がん患者と比較して、症状発現から診断までの期間が長く、再発リスクが3倍であることが、米国・スタンフォード大学のErik Eckhert氏らの研究により明らかになった。JAMA Oncology誌オンライン版2023年2月2日号掲載の報告。

65歳以上低リスク早期乳がん、乳房温存術後の放射線療法は省略可/NEJM

 65歳以上の再発リスクが低いホルモン受容体陽性早期乳がん女性患者において、乳房温存術後の放射線療法非施行は、局所再発率の増加と関連していたものの初回イベントとしての遠隔再発や全生存には影響しないことが、英国など4ヵ国76施設で実施された第III相無作為化比較試験「PRIME II試験」の10年時解析で示され、英国・エディンバラ大学のIan H. Kunkler氏らが報告した。著者は、「今回の試験は、乳房温存術を受けたGrade1または2でエストロゲン受容体(ER)高発現の65歳以上の女性では、5年間の術後内分泌療法を受けることを条件に放射線療法を省略できることを示す確かなエビデンスを提供している」とまとめている。NEJM誌2023年2月16日号掲載の報告。

オシメルチニブのEGFR陽性非小細胞肺がんアジュバントによるDFS改善、最終解析でも維持(ADAURA)/JCO

 EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法の第III相ADAURA試験。初回解析では、オシメルチニブとプラセボの臨床的に有意な無病生存率(DFS)の利点が実証された(DFSハザード比[HR]:0.20、99.12%信頼区間[CI]:0.14~0.30、p<0.001)。Journal Of Clinical Oncology誌オンライン版2023年1月31日号では、DFSの最終的な分析データが発表されている。

乳がんサバイバーの2次原発がん、部位別リスク

 乳がんサバイバーの2次原発がん(SPC)の発生率が上昇している。そこで、英国・ケンブリッジ大学のIsaac Allen氏らは、乳房以外のSPCリスクについて部位別に系統的レビューとメタ解析を実施した。その結果、多くの部位でSPCリスクが有意に上昇しており、50歳未満で乳がんと診断された女性や、アジア人でよりリスクが高いことが示された。Breast Cancer Research誌2023年2月10日号に掲載。