低用量アスピリンの服用で懸念される、大腸がん検診の特異度の低下はわずか
低用量アスピリンを服用している人は、服用していない人に比べ、免疫化学的便潜血検査(iFOBT)による進行性大腸がん検診の感度が約2倍に増大するが、特異度の低下はわずかであったことが明らかにされた。ドイツがん研究センター臨床疫学・エイジング研究部門のHermann Brenner氏らが、約2,000人を対象に行った試験で明らかにしたもので、JAMA誌2010年12月8日号で発表した。大腸がん検診の対象となる人の中には、心血管疾患予防のために低用量アスピリンを服用している人が少なくないという。しかし低用量アスピリンの服用は、消化管出血の可能性を増大するため、検査に与える影響が懸念されていた。これまで低用量アスピリン服用者と非服用者を対象に、iFOBTのパフォーマンスに関する試験はほとんど行われていなかった。