大麻の使用は公衆衛生上の重要な問題であり、大麻が中枢神経系の神経伝達に作用することが知られている。フランス・Pole Hospitalo-Universitaire de Psychiatrie du Grand NancyのThomas Schwitzer氏らは、複雑な精神現象における脳神経伝達異常の直接的なマーカーとして網膜機能を用いた、症例対照研究を行った。その結果、大麻の常用者では、網膜神経節細胞の活動電位伝導の遅れが認められたことを明らかにした。これは、視覚の変化を裏付けるものだという。著者は「大麻使用が網膜処理に影響を及ぼすことが認められた。大麻の中枢神経系に対する神経毒性作用が浮き彫りになったことは、公衆衛生の観点から重要と思われる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年12月8日号掲載の報告。