大腸がん、血中遊離DNA測定でスクリーニング可/NEJM
血液中の遊離DNA(cell-free DNA:cfDNA)測定をベースとした大腸がん検査は、平均的な大腸がんリスクを有するスクリーニング集団において、大腸がんの検出感度83%、進行新生物に対する特異度90%、進行前がん病変の検出感度13%であったことが、米国・マサチューセッツ総合病院・ハーバード大学医学部のDaniel C. Chung氏らによる「Evaluation of the ctDNA LUNAR Test in an Average Patient Screening Episode:ECLIPSE試験」の結果で示された。大腸がんは米国の成人において3番目に多いがんで、早期発見により関連死の90%以上を予防でき、複数の検査が利用可能であるにもかかわらず、検診対象者の3分の1以上は検診を受けていない。血液を用いた大腸がん検査は、検診の受診率を向上させ、大腸がんの早期発見と関連死亡率の低下に寄与する可能性があった。今回の結果を踏まえて著者は、「45歳未満の大腸がん発生率が増加していることから、スクリーニング年齢を広げるために、血液ベースの検査戦略の潜在的な臨床的および医療経済的効果を明らかにすることが待たれる」と述べている。NEJM誌2024年3月14日号掲載の報告。