脳由来神経栄養因子はヒトのエネルギーホメオスタシスで重要な働き
脳由来神経栄養因子(BDNF)が、動物モデルでは重要なエネルギーホメオスタシスであることはわかっているが、ヒトのエネルギーバランスにおける役割についてはほとんど明らかにされていない。 染色体11p14.1上の遺伝子であるBDNFのヘテロ接合性の欠失は、ゲノムサイズで約4Mbセントロメア側に隣接する染色体11p13上の遺伝子WT1とPAX6の単機能不全を引き起こし、やがてウィルムス腫瘍、無虹彩症、尿生殖器異常、精神遅滞(WAGR)症候群を引き起こす。過食症と肥満はWAGR症候群患者のサブグループで観察されていることから、米国NIHのJoan C. Han氏らの研究グループは、WAGR症候群におけるサブ表現形としての肥満はBDNFの単機能不全を誘発する染色体欠失に起因していると仮定し遺伝子解析を行った。NEJM誌2008年8月28日号より。